小島が浮かぶ海岸線
愛媛県越智郡上島町、
港の桟橋を背に海沿いを左に折れれば、弓削島・佐島へと向かっていく広々とした県道が続き、そこからまるで並走しているかのように海上に並ぶ、3つの小島を間近に見ることが出来る。立石港側から順に、
そしてさらに進めば半島状の
生名島の人達はこうして土地を干拓し塩田や農耕地を作ってきた。平たん地や干潟が多くどちらかと言えば開墾しやすい地理に恵まれたことを生かしながら工夫を重ねた、たくましい島の日々がそこにある。
そんな生名島の、かつては水田だったという海沿いから奥へと進んだ路地裏に小さな商店がある。野菜や墓に供える花が置かれたその店先には「いきな味噌」と手書きで書かれた紙が貼り出されていた。
生名島の人達はこの味噌を普段づかいにするのはもちろん、畑で採れたみかんと詰め合わせ、離れて暮らす家族や親せきに送るという。
「いきな味噌は本当に評判がいいよ。味噌汁はもちろん、おでん味噌にしてもおいしいの」、「広島に嫁に行った娘が帰る度に買って行くよ」、お店の人も居合わせたお客さんも生き生きと話してくれた。
そんなふうに様々な人たちに愛されているいきな味噌を作っているのが、約30年前に結成された女性グループ「むつみグループ」だ。