瀬戸内かみじまトリップ
しましま農園体験

島の畑で野菜観察フィールドワーク

9月の初め、雨の予報のあいだを縫って岩城島にある「しましま農園」さんに農園観察と収穫体験に行ってきましたので、そのレポートをお届けします!

 

岩城港に集合

体験当日、弓削港10:10発の芸予汽船に乗り岩城港へ。

汚れてもいい恰好と長靴を忘れずに。手袋もあるとなお良いでしょう。

弓削港から岩城港までは約10分ほどの短い船旅です。

岩城港でしましま農園の原田さんがお迎えに来てくれていました。

私は弓削港から芸予汽船で岩城港に向かいましたが、岩城島に行くにはほかのルートもあります。

詳しくは上島町のHPをご参照ください。

岩城港以外の港にも迎えに来てもらえるかどうかはしましま農園に問い合わせてみてくださいね。

港からしましま農園までは車で5分ほど。

穏やかな海沿いの道を進むと、ゆるやかな山の斜面に開かれた「しましま農園」があります。

▽山の斜面を少し上ったところから見える景色


等間隔にまっすぐ作られた畝が原田さんの実直な人柄を表しているよう。
すぐ向こうに見える海とのコントラストも良い感じ。

いろんなものを、少しずつ作る

原田さんは京都で生まれ育ち、将来的な独立を目指して関西の農家などで農業の仕事に従事してきました。

その後、2016年にお父さんの生まれ故郷だった岩城島の土地で就農しました。

今は、岩城島の5か所(1町1反半)の畑で50品目100品種の野菜と柑橘を作っているそうです。

作物は一畝に一品種と決め、輪作(※)で少しずつたくさんの種類を育てます。

私が訪問させてもらったときも、ナスはナスでも白いナス、長いナス、丸いナス、オクラもガクが丸いものとギザギザしているものなど、同じ品目でも品種の異なる野菜が実っていました。

▽イタリア生まれのまだら模様のナス・ローザビアンカ。

▽いろいろな唐辛子。辛さもいろいろ。

スーパーで買い物しているだけでは、玉ねぎは“玉ねぎ”、ニンジンは“ニンジン”としか認識できないけれど、畑に生っているいろいろな品種の野菜を見ていると、ひとつひとつに微妙な見た目の違いや香りの強いもの、弱いものがあったりして、野菜にも個性があるんだなあと思いながら原田さんの話を聞いていました。

こんなふうに、ふだん口に入れる食べ物を選ぶときの新しい視点を得られるのも、作り手の方と直接会話できる収穫体験の醍醐味ですね。

夏野菜を収穫する

ひととおり農園を案内してもらったら、いよいよ夏野菜の収穫開始!

この日の収穫にピッタリだったのは、空心菜、モロヘイヤ、ししとう、唐辛子、ナス、などの夏野菜。

「どのくらいの量が体験料に含まれてるんですか?」

「だいたい、このくらいかな。」

と原田さんが手で示してくれた量が想像より3倍くらいあり(笑)、一同で

「そんなに良いんですか?!」とびっくり。

▽空心菜の収穫。茎が太すぎないところを20cmほどチョキチョキ切る。

▽モロヘイヤの収穫。なるべく茎の端のほうの葉を指でちぎる。

体験終了後の解散間際に私たちが収穫しなかった野菜もおまけで袋に入れてくれて、最後まで太っ腹な原田さんでした。

原田さんのこだわり

今回の体験の中で原田さん流農業の源泉ともいえるこだわりをいくつか感じたのでご紹介します。

まず1つ目は、安全な作物を嘘をつかずに食べ手に届けること。

独立以前は、有機栽培の農業学校や京都の年間1億円を売り上げるような京野菜農家さんなどで修行していた原田さん。過剰に消費者側に立って響きのよい宣伝文句に頼るのではなく、「栽培期間中無農薬・無化学」と正しく表記したうえで、作物を買ってくれるお客さんの声を真摯に反映させながら野菜づくりをしているそうです。

2つ目は、自分が楽なほうではなく野菜にとってベストなほうを選ぶこと。

例えば、作物が日光を浴びすぎることを防ぐための遮光ネットひとつ取っても、楽をしてすべて同じネットを使うのではなく、作物に合わせて夏用冬用を使い分けます。多様な種類を少しずつ作る原田さんのやり方だと手間がかかる方法ですが、その野菜にとってベストな状態をつくるためにはその手間も惜しみません。

▽きれいにネットが張られた畝。

3つ目は、消費者の視点で野菜づくりをすること。

私が今回の収穫体験で1番印象に残ったのは、原田さんがそれぞれの野菜の美味しい食べ方や自分が試してみて良かった調理法をたくさん教えてくれたことです。

食べ比べてみて、味の違いがふつうの人にも分かりやすい野菜が、食べてても楽しいよね。

意外と空心菜の餃子も美味しいんだよ。

そんなふうに「自分が食べる側だったらどう思うか」ということを常に考えて野菜づくりをしているんだな、と思いました。

▽質問したらなんでも答えてくれますよ!

さいごに

私はもともと農家(兼業だけど)の家で育ったので、なんとなく野菜づくりってこんな感じというのは知っていたけど、生業として営んでいる方のお話しを聞く機会はあまりなかったのでとても勉強になりました!

この日に収穫したモロヘイヤは、地元東北の郷土料理「だし」やスープに。

空心菜は、原田さんのアドバイスを受けて餃子とニンニク炒めとチャーハンに。

どれも新鮮な野菜の味が濃くてとっても美味しかったです!

青いレモンの島・岩城島で育ったレモン以外の野菜たちに会いに、ぜひしましま農園に行ってみてくださいネ。

 

※輪作…同じ耕地に異なる種類の作物を一定期間ずつ循環して栽培すること。

 

体験施設情報

   

岩城島 岩城島:しましま農園 島で学ぶ

開催時期 通年(冬期、繁忙期など、時期による)
開催時間 6:00〜18:00(1時間程度)
開催場所 〒794-2410
愛媛県越智郡上島町岩城1621番地
定員 1〜5名
参加費(1名様分) 1,000円/1人
参加条件および注意事項 雨天中止。軽い運動ができる格好。
汚れても良い靴持参。キャンセルは前日までにご連絡ください。
予約⽅法 電話 / インスタ / じゃらん から
ホームページ https://shimashimano.thebase.in/
お問い合わせ 090-5064-8241 090-5064-8241
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