IK-6 三秀園/立石

かつて観音様のお祭りで賑わったこの庭園や中腹の子安観音は、「麻生いと」さんという女傑が大正の末期から昭和初年にかけて私財を投じて築造し、観音信仰の霊場としました。今東光の小説『悪名』や林芙美子の短編『小さい花』に登場するこの人物は、河東碧悟桐の随筆には「男婆さん」と記され、村の子どもたちが「おじいさん」と呼んだら大きな飴玉をくれたそうです。

立石は「石神(いわがみ)」で、古代から巨石信仰の対象とされてきました。昔々は砂浜にそびえ立っていたそうですが、明治の頃にこの辺りの海岸が埋め立てられ根元が3メートルほど埋まっています。この石神は男根石であり、安産と夫婦和合のおかげがあると信じられています。